Ciao! イタリア国立医学部生のNobuです。
本記事でわかること
- ISEEとは?メリットとデメリット
- ISEEの申請手順と具体的な手順(アポスティーユや翻訳等のやり方)
- ISEEの申請に必要な書類と申請時の3つの注意点
「イタリア医学部の留学費用をなるべく減らしたい…」ということは、誰しも考えたことがあるでしょう。
イタリア医学部に留学する際の奨学金を日本で借りることもできますが、ほとんどが貸与型であり、借りられる額も限定的なことがほとんどです。
一方で、イタリアの各大学・各地域によって用意されている奨学金などは、ほとんどが給付型であり、世帯の経済状況によって、大学の学費が最大で年額156−157ユーロに減額される場合もあります。
とはいえ、大学の学費減額の方法や奨学金の申請方法に関する情報は少なく、何をどうしていいか悩んでいる方もいるでしょう。
そこで本記事では、イタリア医学部の学費減額や地域奨学金等の申請に必要なISEEの取得方法に焦点をあて、必要書類や申請手続きの注意点をまとめました。
私がイタリア医学部を受験する際に躓いてしまったポイントも解説しているので、日本に在住していて、これからイタリア医学部に入学(受験)予定の方には特に参考になるかと思います。
特にIMATの受験を考えている方は、これらの手続きを受験前の夏ごろ(※ 締切期限は大学により異なる)までに行わないと、地域奨学金や学生寮などの申請ができなくなる場合があります。
地域奨学金等の利用を考えている場合は、ISEEの取得申請と同時並行で、奨学金等を取得する際に必要な書類の準備を始めておきましょう。
※ 本記事の内容は2024年10月現在の情報と、実体験をもとに書かれています。各大学・地域ごとによって異なり、用意する書類はそれぞれの状況により詳細な規定があるため、本記事の情報はあくまでも参考とし、志望する(進学する)大学のHP等をご自身の責任のもとご確認うえ、手続きしてください。
ISEEとは?
ISEEとは、Indicatore della Situazione Economica Equivalente(同等の経済状況指標)の略で、収入、資産(動産および不動産を含む)、世帯の特徴(数と種類)を評価することで、経済状況を測定できるツールです。
大学の学費減額のほか、地域奨学金などに応募するために必要となります。
ISEEには下記の2種類がありますが、日本からイタリア医学部に入学する場合は、Equivalent ISEE (ISEE parificato) の値だけを気にしておけば、OKです。
- Equivalent ISEE (ISEE parificato):学生の居住地がイタリア国外にある場合、または学生の居住地がイタリアにあるが学生を扶養している家族が海外に住んでいる場合
- ISEE University value (ISEE-U):学生の居住地がイタリアにあり、その収入(およびその世帯の収入)がイタリアからのものである場合
ISEEはすぐに取得できるものではなく、日本から取得する場合は特に必要書類や手順が複雑であったりするため、本記事や各大学のHPや各種案内、各地域の奨学金のHPやパンフレット等を確認して、締切日に間に合うよう、余裕をもって締切の数ヶ月前から行動するのがオススメです。
ISEEを取得するメリットとデメリット
ISEEを取得し、ISEEの値が条件を満たしていれば、大学の学費減額を利用できるだけでなく、地域奨学金などに応募することが可能です(地域奨学金の応募などには、ISPEも必要な場合あり)。
ISEEの取得のメリット
- 学費の減額措置のほか、地域奨学金などに応募できる
- ISEEを利用した奨学金の多くが給付型であり、返済義務がない
- 条件を満たせば、日本人でも地域奨学金の申請などができる
ISEEの取得のデメリット
- すべての受験生が対象ではない(世帯年収によっては応募できない)
- 医学部の受験前から書類を準備しなければならない場合がある
- 必要書類が多く、すべてを揃えるのに1ヶ月以上かかることもある
- 書類の発行や翻訳などによって、費用が嵩む場合がある
ISEEは毎年、取得しなければなりません。また、ISEEを取得しなくとも、イタリア医学部には進学できます。メリット・デメリットを考慮して、必要な場合にのみ、取得するという感じでよいかと思います。
ISEEによる学費減額と地域奨学金は別制度
イタリアの大学にはさまざま特典がありますが、大学による学費減額と地域奨学金は別の制度です。
学費減額措置はISEEにより決まり、地域奨学金などはISEEとISPEによる決まることが多いです。
そのため、申請書類や締切期限が異なることが多いです。例えば、ボローニャ大学の場合、地域奨学金との申請は8月末ですが、ISEEによる学費減額の申請は10月(遅延料を払えば〜11月)までとなっています。
このうち、ISEEの学費減額だけ申し込むということも可能です。どちらにせよ、ISEEの取得は必須です。