基本情報
大学名(日本語名) | ミラノ・ビコッカ大学 |
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大学名(正式名称) | Università degli Studi di Milano Bicocca |
区分 | 国立大学 |
設立年(医学部) | 1999年(英語コースは2017年) |
募集人数(2024) | EU枠:30名、Non-EU枠:18名 |
学費 | €365〜€4271(イタリア居住者の場合:ISEEにより変動) |
€456〜€3756(イタリア非居住者の場合:国ごとに異なる) | |
€1256(日本国籍でイタリアに居住していない場合) | |
ISEEの減額制度 | あり(イタリア居住者の場合) |
奨学金の有無 | あり |
入試形式 | IMAT(International Medical Admissions Test)筆記試験のみ |
試験科目 | 論理的推論・判断推論・一般常識・生物・化学・物理・数学 |
試験日(2024) | 2024年9月17日 |
合格最低点(2024) | EU枠:64.8点/90点(正規合格66.7点/90点) Non-EU枠:72.6点/90点(正規合格は72.7点/90点) |
英語資格試験 | B2以上 |
大学HP | ミラノ・ビコッカ大学医学部の公式HP |
キャンパス | Via Alessandro Ninì da Fano 11, Bergamo(ベルガモ) |
ミラノ・ビコッカ大学(Università degli Studi di Milano Bicocca)は、経済統計学、法律、医学、社会学、心理学、科学、人文科学の学部をもつ総合大学です。
1998年に創立された新進の国立大学ながら、医学部を含む多彩な学部で国際的な評価を高めており、QS世界大学の科目別ランキング2025(医学分野)では世界195位、イタリア5位を獲得しました。
ミラノ・ビコッカ大学医学部英語コースは2017年に開設され、ベルガモを拠点に独自の医学カリキュラムに沿った授業をおこなっています。
授業はPBL(問題解決型学習)に基づいており、7つの主要な理学・病理学的統合システム(循環器系と呼吸器系、腫瘍血液学、運動器系、消化器系、内分泌 腎臓・尿路、神経科学、産婦人科・小児科)について、知識の習得、グループでの共同作業を通じて、医師としての基盤を養成することに力を入れています。
ミラノ・ビコッカ大学医学部の合格最低点と募集人数
ミラノ・ビコッカ大学医学部英語コースでは、他の国立医学部英語コースと同様にIMAT(International Medical Admissions Test)という筆記試験(マークシート方式)の受験が必要です。
IMATの満点は90点です。試験科目は、生物・化学・物理・数学といった理系科目のほか、論理的推論・判断推論・一般常識などの論理的思考力・教養を問うものまで、幅広く出題されます。
イタリア国立医学部入試では、IMAT(筆記試験)のみのスコアで合否が決まります。書類審査や面接試験、記述式の試験はありません。
IMATは2つの受験枠があり、どちらか一方のみを受験できます。IMATでは、EU枠・Non-EU枠に限らず、試験問題・配点・採点方法は同一ですが、受験枠により募集人数・合格最低点・出願できる大学数が異なります。
年度 | EU枠 | Non-EU枠 | ||
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合格最低点 | 募集人数 | 合格最低点 | 募集人数 | |
2024 | 64.8 | 30名 | 72.6 | 18名 |
2023 | 43.3 | 30名 | 54.2 | 18名 |
2022 | 41.0 | 26名 | 49.2 | 16名 |
2021 | 36.3 | 22名 | 42.3 | 13名 |
※ IMATのEU枠の合格最低点は、繰り上げ合格者の点数を含めた最終的な合格最低点です。IMATでは定員数と同数の新入生が入学するまで繰り上げ合格をおこなうため、最新年度の合格最低点が確定するまでに時間を要する場合があります。
ミラノ・ビコッカ大学医学部のカリキュラム
ミラノ・ビコッカ大学の医学部は、テクノロジーとコンピュータサイエンスをカリキュラムに統合しており、最先端のテクノロジーを活用することで、現代の医療環境の課題に取り組むための基盤を形成できます。
また、1年次から臨床実習が始まり、2年次からの本格的な臨床実習も他のイタリア国立医学部と比較して、時間数(単位数)が多い、臨床に重きを置いた実践的なカリキュラムとなっています。
試験形式は、多肢選択式(MCQ)や記述式(Open Questions)の筆記試験(Written Exam)、口頭試問(Oral Exam)の両方で構成されています。
学年 | 科目名 |
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1年次 | コンピューターサイエンス、基礎科学(物理学・化学・生化学)、細胞生物学と遺伝学の基礎、ヒト形態学の基礎(解剖学など)、人文科学、臨床実習など |
2年次 | 基礎臨床技能、基礎病理学、基礎薬理学、統計学、生理学、画像診断学、医学と社会、臨床実習など |
3年次 | 感染症、運動器疾患、腫瘍・血液疾患、皮膚および結合組織疾患、臨床実習など |
4年次 | 心臓血管病・呼吸器科学、臨床研究と公衆衛生、内分泌腎・尿路疾患、神経科学、臨床実習など |
5年次 | 消化器の健康、頭頸部、法医学とHTA、神経科学、臨床実習など |
6年次 | 女性と子ども(婦人科・産科、小児科)、実地研修、卒業論文、臨床実習など |
※ カリキュラムは今後変更になる場合があります。
ミラノ・ビコッカ大学医学部のキャンパス所在地
ミラノ・ビコッカ大学医学部英語コースのキャンパスは主に2つあり、ベルガモ(Bergamo)とモンツァ(Monza)に位置しています。メインキャンパスはベルガモですが、モンツァのキャンパスは特に基礎医学の科目のラボがあるため、最初の2年間ではいくつかの科目の授業がおこなわれます。
医学部英語コースは、ベルガモ大学、Papa Giovanni XXIII Hospital との連携しており、臨床実習はベルガモの中枢病院である「Papa Giovanni XXIII Hospital」などで実践的なカリキュラムに沿った授業をおこないます。
アクセスとしては、ベルガモ駅からバスを利用するか、自転車や電動スクーターを利用することになりますが、それなりに駅や中心部からは遠い場所にあるので、何かしらの移動手段は必要です(徒歩では厳しいかと思います)。
ミラノ・ビコッカ大学医学部の学費と生活費
ミラノ・ビコッカ大学医学部の学費は年間1256ユーロ(日本国籍でイタリアに居住していない場合)であり、学生の状況(イタリア居住の有無と国籍)によって変動します。
イタリア居住者の場合は、年間365〜4271ユーロであり、ISEEにより変動します。また、イタリア非居住者の場合は年間456〜3756ユーロとなっており、国籍により学費が異なります。
ベルガモは観光都市でありながら、ミラノやローマほど物価が高騰していないため、比較的落ち着いた生活コストで暮らすことが可能です。ただし、旧市街(チッタ・アルタ)の物件は観光需要も相まってやや高めに設定される傾向があります。
ショッピングモールや地元スーパーでは、日用品や衣類をイタリア平均の価格帯で購入でき、また、隣接するミラノと比べると、家賃や外食費がやや安い傾向があり、生活全般で出費を抑えながらイタリア北部の魅力を体感できます。
金額(ユーロ) | 金額(日本円) | |
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家賃(シェア・1人暮らしする場合) | €400〜€750 | 64,000円〜120,000円 |
レストランでの費用(食事をした場合) | €16.5 | 2,640円 |
1Lの牛乳(スーパーでの販売価格) | €1.61 | 258円 |
12個入りの卵(スーパーでの販売価格) | €4.18 | 669円 |
1kgのバナナ(スーパーでの販売価格) | €1.85 | 296円 |
1.5Lの水(スーパーでの販売価格) | €0.69 | 110円 |
※ €1 = 160円で計算。日本円に換算した際の小数点以下は四捨五入。
※ 複数のWEBサイト・現地を訪れた際の情報を参考にして算出しています。そのため、購入場所により金額は変動します。参考程度にお考えください。
ベルガモの概要
ミラノ・ビコッカ大学医学部のメインキャンパスがあるベルガモ(Bergamo)は、ミラノから北東約50kmの位置にある都市で、古代ローマ時代から交易路として重要視され、中世にはロンバルディア地方を代表する城郭都市として発展してきました。
街は比較的大きく、丘の上の旧市街(チッタ・アルタ)と丘の下の新市街(チッタ・バッサ)に分かれており、歴史と現代が調和しています。中心的観光スポットのカッテドラーレ(大聖堂)やサンタ・マリア・マッジョーレ教会、そしてコッレオーニ礼拝堂が世界的に有名です。チッタ・アルタへはケーブルカーで簡単に移動でき、石畳の路地と古い建物が中世の雰囲気を色濃く保っています。
旧市街を囲む城壁はヴェネツィア統治時代の名残で、2017年には世界遺産に登録され、その歴史的重要性を物語っています。新市街側には商業施設や現代的な建築物が並び、地元の人々の日常生活やビジネスが展開されるエリアです。
最寄りの空港である「ベルガモ・オーリオ・アル・セリオ空港(BGY」)は格安航空会社が多く発着し、ヨーロッパ各都市とのアクセスが良好であり、ミラノ中央駅(Milano Centrale)から電車で約40〜60分(路線や列車種別により所要時間は異なる)とアクセスも良好です。
ベルガモの気候
ベルガモはイタリア北部のポー平原に近く、温帯湿潤気候に属しています。四季の変化がはっきりしており、夏は蒸し暑く、冬は冷え込みが厳しいのが特徴です。夏は冷房、冬は暖房が整った住環境を選ぶと快適です。
春は気温が10〜20℃程度であり、夏は30℃前後まで気温が上がり、湿度が高めで夕立や雷雨が発生することもあります。**秋は、**9月の残暑を過ぎると涼しくなり、紅葉が美しい季節。雨が多くなる傾向があり、冬は気温が0℃近くまで下がり、霧や霜が発生することもあります。
雪が降る日もあるため、防寒対策をしておくことをオススメします。