本記事は執筆時点での情報をもとに独自に作成したコンテンツであり、大学や医学部のカリキュラム・学費・入試制度、募集人数などは年度や社会情勢等によって変更される可能性があります。最新情報は必ず大学公式サイトや公的機関でご確認ください。

カターニャ大学の基本情報

大学名(日本語名)カターニャ大学
大学名(正式名称)Università degli Studi di Catania
区分国立大学
設立年(医学部)1464年(英語コースは2023年)
募集人数(2024)EU枠:30名、Non-EU枠:30名
学費€156〜€2306
ISEEの減額制度あり
奨学金の有無あり
入試形式IMAT(International Medical Admissions Test)筆記試験のみ
試験科目論理的推論・判断推論・一般常識・生物・化学・物理・数学
試験日(2024)2024年9月17日
合格最低点(2024)EU枠:55.3点/90点(正規合格は58.4点/90点)
Non-EU枠:57.2点/90点(正規合格は57.2点/90点)
英語資格試験任意(B2以上を推奨)
大学HPカターニャ大学医学部英語コースの公式HP
キャンパスPoliclinico Universitario “G. Rodolico” – Via Santa Sofia, 78 – Catania(カターニャ)

カターニャ大学(Università degli Studi di Catania)は1464年に創立された歴史ある大学であり、シチリア島の医療・研究を牽引しています

QS世界大学の科目別ランキング2025(医学分野)では401-450位にランクインしており、イタリア国内外でも評価の高い研究実績を持ち、南イタリア地域での医療人材育成に大きく貢献しています。

カターニャ大学医学部の英語コースは、2023年に新設され、Non-EU枠の募集は2024年から始まりました(2023年度はEU枠の募集のみ)。医学と工学とのダブルディグリーではないものの、医療テクノロジー(MedTech)に焦点を当てた、「臨床に強く、テクノロジーにも精通した新しいタイプの医師」を育成することを目指したカリキュラムのもと、医学部教育をおこなっています。

カターニャ大学医学部の合格最低点と募集人数

カターニャ大学医学部英語コースでは、他の国立医学部英語コースと同様にIMAT(International Medical Admissions Test)という筆記試験(マークシート方式)の受験が必要です。

IMATの満点は90点です。試験科目は、生物・化学・物理・数学といった理系科目のほか、論理的推論・判断推論・一般常識などの論理的思考力・教養を問うものまで、幅広く出題されます。筆記試験のみのスコアで合否が決まります。

IMATは2つの受験枠があり、どちらか一方のみを受験できます。IMATでは、EU枠・Non-EU枠に限らず、試験問題・配点・採点方法は同一ですが、受験枠により募集人数・合格最低点・出願できる大学数が異なります。

年度EU枠Non-EU枠
合格最低点募集人数合格最低点募集人数
202455.3(未確定)30名57.230名
202332.460名募集なし
2022募集なし募集なし
2021募集なし募集なし

※ 2023年より医学部英語コースの募集が開始されたため、2022年以前の合格最低点・募集人数の記載はありません。また、2023年入試では Non-EU枠のの募集はなく、EU枠でのみの募集でした。

※ IMATのEU枠・Non-EU枠の合格最低点は、繰り上げ合格者の点数を含めた最終的な合格最低点です。IMATでは定員数と同数の新入生が入学するまで繰り上げ合格をおこなうため、EU枠の場合、最新年度の合格最低点が確定するまでに時間を要する場合があります。

カターニャ大学医学部のカリキュラム

カターニャ大学医学部英語コースでは、1年次から臨床実習に参加でき、また、イタリア医学部では珍しく、座学(Lecture)以外の実習(Practical)の時間も多く確保されているなど、”実践的な”カリキュラムが特徴です。

試験形式は筆記試験(Written Exam)と口頭試問(Oral Exam)を組み合わせた試験方式がメインとなっており、両方の試験に合格する必要がある科目もあります。

学年科目名
1年次生物学、化学、物理学、組織学・発生学、生化学、解剖学、臨床実習など
2年次解剖学、微生物学、生理学、病理学、免疫学、病理生理学、臨床実習など
3年次薬理学、心疾患系および内分泌系の疾患、呼吸器および泌尿・腎臓系の疾患、頭蓋および感覚器官の疾患、医療倫理学、臨床実習など
4年次消化器系疾患、骨と関節の疾患、感染症学、公衆衛生学、医療および外科ロボット工学、臨床検査医学、臨床実習など
5年次婦人科学および産科学、脳と神経系の疾患、内科、外科、小児科学、腫瘍学(がん医療)、公衆衛生学、臨床実習など
6年次救急医学、法医学、産業医学、内科、外科、卒業論文、臨床実習、実地研修など

※ カリキュラムは今後変更になる場合があります。

2025/2026年度よりカリキュラムが変更される予定であり、技術テーマ(’tech’)と新たな医学的課題(’future’)に関連した科目が追加され、他のイタリア医学部とは一線を画した「次世代型」のカリキュラムで医学教育をおこなっています。

具体的には、下記のような科目が医学部のカリキュラムに組み込まれています。

  • ”Health and The Climate Changes(健康と気候変動)”
  • ”Artificial Intelligence, Machine Learning and Big Data(AI、機械学習とビッグデータ)
  • ”Vaccine Preventable Infectious Diseases and Epidemics(ワクチンで予防可能な感染症および伝染病)”
  • “From Ideas To Patents(アイデアから特許まで)”

カターニャ大学医学部のキャンパス所在地

カターニャ大学医学部英語コースのキャンパスは2024年度より変更になり、大学附属病院「Policlinico Universitario di Catania」からほど近いところに移動しました。新キャンパスは、自習室や実習をおこなう大学病院やラボなどへの移動が楽になり、利便性が高くなっています。

医学部英語コースのキャンパスは鉄道駅や中心地からはやや離れた場所にありますが、バスや地下鉄を利用することで簡単にアクセスできます。キャンパス周辺・中心地の治安は良く、安心して留学生活することが可能です。

カターニャ大学医学部の学費と生活費

バーリ大学医学部の学費は年間164ユーロ〜2541ユーロであり、この額はISEE(Indicatore della Situazione Economica Equivalente)によって変動します。ISEE(同等の経済状況指標)は世帯年収などにより変動し、この値によって、医学部の学費の減免措置を受けられます。

生活費はシチリア島ということもあり、イタリア北部と比較すれば、すべて安い傾向にあります。生活費のほとんどを占める家賃も安い物件が多く、一人暮らしをする場合でも家賃を抑えられるのが魅力的です。

金額(ユーロ)金額(日本円)
家賃(シェア・1人暮らしする場合)€200〜€50032,000円〜80,000円
レストランでの費用(食事をした場合)€152,400円
1Lの牛乳(スーパーでの販売価格)€1.29206円
12個入りの卵(スーパーでの販売価格)€2.73437円
1kgのバナナ(スーパーでの販売価格)€1.36218円
1.5Lの水(スーパーでの販売価格)€0.4166円

※ €1 = 160円で計算。日本円に換算した際の小数点以下は四捨五入。

※ 複数のWEBサイト・現地を訪れた際の情報を参考にして算出しています。そのため、購入場所により金額は変動します。参考程度にお考えください。

カターニャの概要

カターニャ大学のキャンパスがあるカターニャ(Catania)は、シチリア島の東岸に位置しており、パレルモに次いでシチリア第2の都市規模を誇る大都市です。ヨーロッパ最大のエトナ山(Mount Etna, 標高3,300m超)がそびえ、地形的にも歴史的にもこの山の影響を強く受けてきました。

エトナ山のミネラル豊富な土壌で育った柑橘類(特にブラッドオレンジ)やブドウから作られるワインが有名であり、観光業も主要な産業で、クルーズ客船が寄港する港町として注目を集めています。

カターニャの気候

カターニャは年間を通して温暖な地中海性気候です。夏は乾燥して日差しが強く、8月は平均気温が32℃前後まで上がり、冬は比較的温暖で2月の平均気温も15℃前後であり、夏場に比べて雨量がやや増えますが、過ごしやすい環境です。

エトナ山の噴火が活発な時期には、風向き次第で火山灰が市内に降ることもありますが、大規模な被害に至るケースは少なく、街全体で火山対策が取られているため、そこまで心配する必要はないと言えるでしょう。

Monthly Max and Min Temperatures in Catania
Monthly Precipitation in Catania

カターニャ大学医学部の詳細情報