基本情報
大学名(日本語名) | ミラノ大学 |
---|---|
大学名(正式名称) | Università degli Studi di Milano |
区分 | 国立大学 |
設立年(医学部) | 1924年(英語コースは2010年) |
募集人数(2024) | EU枠:55名、Non-EU枠:15名 |
学費 | €156〜€6307.68(※ ISEEにより変動)€412〜€2716(※ 外国人の場合、居住国により変動) |
ISEEの減額制度 | あり(※ 外国人の場合は適用なし) |
奨学金の有無 | あり |
入試形式 | IMAT(International Medical Admissions Test)筆記試験のみ |
試験科目 | 論理的推論・判断推論・一般常識・生物・化学・物理・数学 |
試験日(2024) | 2024年9月17日 |
合格最低点(2024) | EU枠:67.8点/90点(正規合格は69.2点/90点)Non-EU枠:75.7点/90点(正規合格は75.7点/90点) |
英語資格試験 | 任意(B2以上を推奨) |
大学HP | ミラノ大学医学部の公式HP |
キャンパス | Via Fratelli Cervi, 93 – Segrate(ミラノ) |
ミラノ大学(Università degli Studi di Milano)はロンバルディア州最大の大学であり、64,000人近い学生と2,000人以上の教授を擁しています。欧州連合(EU)加盟国4カ国による大学連合の一員であるミラノ大学はヨーロッパ研究大学連盟(LERU)に所属する24校の一流大学のうち唯一のイタリアの大学です。
ミラノ大学は、QS世界大学の科目別ランキング2025(医学分野)では世界80位、イタリアで1位となっており、幅広い分野のあらゆるレベルにおいて質の高い教育を提供すると同時に、研究志向の大学でもあります。
ミラノ大学医学部英語コースは2010年に開設され、革新的な教授法と学習法に基づく6年間のプログラムで、質の高い臨床研修だけでなく、強力な研究基盤も備え、国際的な医療コミュニティに積極的に参加する優秀な医師を育成を目的としています。
ミラノ大学医学部の合格最低点と募集人数
ミラノ大学医学部英語コースでは、他の国立医学部英語コースと同様にIMAT(International Medical Admissions Test)という筆記試験(マークシート方式)の受験が必要です。
IMATの満点は90点です。試験科目は、生物・化学・物理・数学といった理系科目のほか、論理的推論・判断推論・一般常識などの論理的思考力・教養を問うものまで、幅広く出題されます。
イタリア国立医学部入試では、IMAT(筆記試験)のみのスコアで合否が決まります。書類審査や面接試験、記述式の試験はありません。
IMATは2つの受験枠があり、どちらか一方のみを受験できます。IMATでは、EU枠・Non-EU枠に限らず、試験問題・配点・採点方法は同一ですが、受験枠により募集人数・合格最低点・出願できる大学数が異なります。
年度 | EU枠 | Non-EU枠 | ||
---|---|---|---|---|
合格最低点 | 募集人数 | 合格最低点 | 募集人数 | |
2024 | 67.8 | 55名 | 75.7 | 15名 |
2023 | 46.6 | 55名 | 60.2 | 25名 |
2022 | 44.3 | 45名 | 51.8 | 25名 |
2021 | 43.3 | 45名 | 51.5 | 25名 |
※ IMATのEU枠・Non-EU枠の合格最低点は、繰り上げ合格者を含めた最終的な合格最低点を記載しています。
ミラノ大学医学部のカリキュラム
ミラノ大学医学部英語コースのカリキュラムの目的は、人類の健康の向上に積極的に貢献できる優秀な臨床医と研究者を育成することであり、リーダーシップ・革新への情熱・臨床経験・倫理的判断力・自己認識・他者の価値観への敬意を身につけられることが強みです。また、カリキュラムは長年にわたって慎重に考案・改善されてきており、他のイタリア医学部とは違う独自のものになっています。
医学部英語コースの授業は、イタリア人の教授陣や欧米の主要大学からの客員教授陣による授業であり、革新的な教授法、体系的なトレーニングによる問題解決型学習、少人数グループでの臨床事例のディスカッション等を通じて実施されます。
また、研究や臨床実習にも重点を置いており、問題解決型学習(PBL)、臨床例の討論など、少人数制の双方向型の教育をおこなっています。試験形式は、口頭試問(Oral Exam)と筆記試験の両方がメインです。
学年 | 科目名 |
---|---|
1年次 | 細胞・分子・遺伝学、基礎科学の基礎、組織学、解剖学、生化学、医用画像の基礎など |
2年次 | 機能(生化学・生理学・解剖学)、遺伝学、微生物学、疾病のメカニズム、イタリア語など |
3年次 | 臨床医学基礎(循環器疾患、一般外科、内科、腎臓学、呼吸器疾患、血液疾患、内科、リウマチ学、皮膚科学、内分泌学、消化器学、身体トレーニング科学・方法論)、バイオテクノロジー、生物統計学、基礎薬理学、臨床実習など |
4年次 | 臨床腫瘍学・血液腫瘍学・放射線療法、薬理学・血郎の基礎、頭頸部、感染症、整形外科・外傷学・リハビリテーション医学、臨床病理学・外科病理学、臨床画像診断、医療心理学、バイオテクノロジー、臨床実習など |
5年次 | 外科基礎、医科学と臨床研究、神経・行動障害、婦人科・生殖医療学、小児科・小児医療、公衆衛生・グローバルヘルス・労働医学・法医学、実地研修、臨床実習など |
6年次 | 救急医療、多分野にわたる臨床管理、実地研修、卒業論文、臨床実習など |
※ カリキュラムは今後変更になる場合があります。
ミラノ大学医学部のキャンパス所在地
ミラノ大学医学部英語コースのキャンパスは、充実した研究トレーニングが組み込まれており、ミラノ郊外のセグラーテにあるLITA先端技術学際研究所で基礎医学(プログラムの最初の2年間)を実施しています。
教育および研究施設を備えた近代的なLITAキャンパスでは、学生はマルチメディア科学図書館、閲覧室など、快適な環境で学習できます。また、同じくLITAキャンパスに在籍する医療バイオテクノロジー学科の学生との交流も可能です。
臨床実習は3年目から6年目まで実施され、講義・臨床実習は主にLITAキャンパスとNiguarda hospital(ニグアルダ病院)でおこなわれますが、一部の臨床実習はミラノ大学と提携する優れた病院で実施されます。
ミラノ大学医学部の学費と生活費
ミラノ大学医学部の学費は年間156ユーロ〜6307.68ユーロであり、この額はISEE(Indicatore della Situazione Economica Equivalente)によって変動します。
ISEE(同等の経済状況指標)は世帯年収などにより変動し、この値によって、医学部の学費の減免措置を受けられます。
外国籍を有し、収入および資産を海外で得ている世帯の学生(イタリアで収入を得ていない日本人を含む)についてはISEEにより変動制ではなく、居住国により変動します。日本の場合は世帯年収に関係なく、年間2716ユーロの支払いとなります。
ミラノは、イタリアを代表する経済とファッションの中心都市であるため、全国平均と比べて生活費は高めです。中心部(ドゥオーモ周辺やブレラ地区など)の家賃は非常に高く、レストランも観光地価格となっており、高額なところも多いですが、スーパーマーケットやや大学食堂(Mensa)などをうまく活用すれば、無駄な出費をせず、かかる必要を最小限に抑えることもできます。
金額(ユーロ) | 金額(日本円) | |
---|---|---|
家賃(シェア・1人暮らしする場合) | €390〜€1000 | 62,400円〜160,000円 |
レストランでの費用(食事をした場合) | €20 | 3,200円 |
1Lの牛乳(スーパーでの販売価格) | €1.59 | 254円 |
12個入りの卵(スーパーでの販売価格) | €3.71 | 594円 |
1kgのバナナ(スーパーでの販売価格) | €2.01 | 322円 |
1.5Lの水(スーパーでの販売価格) | €0.62 | 99円 |
※ €1 = 160円で計算。日本円に換算した際の小数点以下は四捨五入。
※ 複数のWEBサイト・現地を訪れた際の情報を参考にして算出しています。そのため、金額は変動する場合があります。参考程度にお考えください。
ミラノの概要
ミラノ(Milan)は、イタリア北部のロンバルディア州(Regione Lombardia)の州都であり、ローマに次ぐ大都市であり、国際ファッション・デザイン・金融の拠点として世界的に有名で、イタリア随一の経済・商業中心地となっています。
人口は市域で約130万人を超え、都市圏全体では約300万人以上と推定されています。古代ローマ時代には「メディオラヌム(Mediolanum)」と呼ばれ、政治・軍事の拠点として発展し、中世以降はヴィスコンティ家、スフォルツァ家の統治で強力な都市国家となり、ルネサンス芸術や建築が隆盛を極めました。
ドゥオーモ(ミラノ大聖堂)やガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世、スフォルツェスコ城など観光客に人気の歴史的建造物が多数あります。また、スカラ座(Teatro alla Scala)は世界屈指のオペラハウスとして名高く、音楽好きの聖地となっています。
交通インフラも充実しており、ミラノ・マルペンサ空港(MXP)やリナーテ空港(LIN)、ベルガモ空港(BGY)からイタリア国内外へアクセスでき、ミラノ中央駅(Milano Centrale)などの鉄道駅やバスターミナルからイタリア各地やヨーロッパの主要都市へアクセスも可能です。
ミラノの気候
ミラノは、温帯湿潤気候に属し、夏の蒸し暑さと冬の冷え込みがはっきりとしています。都市中心部は建物やアスファルトの影響でヒートアイランド現象が起こりやすく、郊外との気温差が生じることがあります。
年間降水量はおおよそ1,000mmほどで、雨が多いシーズンと少ないシーズンが比較的はっきりと分かれます。季節ごとに気温差や湿度が変動するため、夏の猛暑対策と冬の防寒具を用意しておけば、ミラノの気候をより快適に楽しめるでしょう。
春は10〜20℃程度の気温であり、夏は日中の最高気温が30℃を超える日が多く、湿度が高いため非常に蒸し暑い印象を受けます。一方、9月の残暑を過ぎると気温が落ち着き、雨が増え、冬は0℃前後まで気温が下がり、霧が発生する場合があります。