基本情報
大学名(日本語名) | パドヴァ大学 |
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大学名(正式名称) | Università degli Studi di Padova |
区分 | 国立大学 |
設立年(医学部) | 1222年(英語コースは2019年) |
募集人数(2024) | EU枠:75名、Non-EU枠:25名 |
学費 | €202〜€3102(EU枠の学生の場合、ISEEにより変動) |
€3102(Non-EU枠の学生の場合) | |
ISEEの減額制度 | あり(※ EU枠の場合のみ) |
奨学金の有無 | あり |
入試形式 | IMAT(International Medical Admissions Test)筆記試験のみ |
試験科目 | 論理的推論・判断推論・一般常識・生物・化学・物理・数学 |
試験日(2024) | 2024年9月17日 |
合格最低点(2024) | EU枠:63.2点/90点(正規合格は64.6点/90点)Non-EU枠:71.6点/90点(正規合格は71.6点/90点) |
英語資格試験 | B2以上 |
大学HP | パドヴァ大学医学部の公式HP |
キャンパス | 30122 Venice, Metropolitan City of Venice(ヴェネツィア) |
パドヴァ大学(Università degli Studi di Padova)は、研究と教育における思想の自由を擁護した自由な学者団体として1222年に設立されました。パドヴァ大学は、世界初の植物園と常設の解剖学博物館があり、ガリレオ・ガリレイが在籍したことでも有名です。これまで多数の優秀な医師などを多数輩出しました。
パドヴァ大学は、QS世界大学の科目別ランキング2025(医学分野)では131位にランクインしており、腫瘍学、心血管研究、再生医療、感染症学などの領域で国内外の研究機関と連携し、多くの国際的研究プロジェクトを推進しています。
パドヴァ大学の医学部英語コースは2019年に開設され、「臨床および生物医学分野において、健康増進から疾病の予防・治療まで、高度に危機的で複雑な状況を含む現代医療を実践できる有能な医師を養成すること」を主な目的としています。
パドヴァ大学医学部の合格最低点と募集人数
パドヴァ大学医学部英語コースでは、他の国立医学部英語コースと同様にIMAT(International Medical Admissions Test)という筆記試験(マークシート方式)の受験が必要です。
IMATの満点は90点です。試験科目は、生物・化学・物理・数学といった理系科目のほか、論理的推論・判断推論・一般常識などの論理的思考力・教養を問うものまで、幅広く出題されます。
イタリア国立医学部入試では、IMAT(筆記試験)のみのスコアで合否が決まります。書類審査や面接試験、記述式の試験はありません。
IMATは2つの受験枠があり、どちらか一方のみを受験できます。IMATでは、EU枠・Non-EU枠に限らず、試験問題・配点・採点方法は同一ですが、受験枠により募集人数・合格最低点・出願できる大学数が異なります。
年度 | EU枠 | Non-EU枠 | ||
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合格最低点 | 募集人数 | 合格最低点 | 募集人数 | |
2024 | 63.2 | 75名 | 71.6 | 25名 |
2023 | 38.7 | 80名 | 49.5 | 20名 |
2022 | 37.9 | 51名 | 50.7 | 25名 |
2021 | 37.5 | 56名 | 46.6 | 20名 |
※ IMATのEU枠・Non-EU枠の合格最低点は、繰り上げ合格者の点数を含めた最終的な合格最低点です。IMATでは定員数と同数の新入生が入学するまで繰り上げ合格をおこなうため、EU枠の場合、最新年度の合格最低点が確定するまでに時間を要する場合があります。
パドヴァ大学医学部のカリキュラム
パドヴァ大学医学部英語コースのカリキュラムは包括的で、基本的な人体解剖学から複雑な臨床手順まですべてをカバーしています。1年次から臨床実習があり、その時間数(単位数)も多いため、非常に実践的なカリキュラムと言えるでしょう。
国際的なレベルで既に有効性が認められている教授法や、統合学習戦略、1年次から段階的に臨床実習を行うアプローチ、問題解決型学習法(PBL)による学生の積極的な参加などを活用し、医師の国際的な評価を高めることを目指しています。
カリキュラムを見ても1年次から臨床医学の科目を学べるため、医学部の勉強のモチベーションを保ちやすいのも特徴です。試験は低学年では筆記試験(Written Exam)が多めであり、高学年では口頭試問(Oral Exam)の割合が増加します。
学年 | 科目名 |
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1年次 | 患者へのアプローチ、構成要素(応用物理学・生化学)、神経科学における新手法、生物学、細胞機能・細胞生理学、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、固形臓器移植の免疫学、心臓胸部外科、心臓免疫学、腫瘍学、心臓病学における診断技術と心電図解釈、救急医療の基礎、人間の栄養、小児皮膚科学と遺伝性皮膚疾患、形成外科、イタリア語、臨床実習など |
2年次 | 感染症と免疫、バイオコンピューティング、人体の機能、人体、神経系、臨床実習など |
3年次 | 診断検査学、疾患のメカニズム、治療分子、感染症、身体徴候と臨床方法論、臨床実習など |
4年次 | 消化器・尿路疾患、臨床神経科学、頭部および頸部、病理学、血液疾患と臨床薬理学、心臓と肺の病気、臨床実習など |
5年次 | 母と子、筋肉と骨、軟部組織疾患、一般外科、 臓器移植、 公衆衛生、臨床実習など |
6年次 | 臨床医学、臨床腫瘍学、実地研修、最終試験(卒業論文)、臨床実習など |
※ カリキュラムは今後変更になる場合があります。
パドヴァ大学医学部のキャンパス所在地
パドヴァ大学の医学部英語コースは2025年度より、ヴェネツィア中心部にある「Santi Giovanni e Paolo Hospital」にキャンパスが移転される予定ですが、新キャンパスは新入生のみが利用し、在校生はパドヴァのキャンパスを利用します。
ヴェネツィアは救急車ではなく、救急艇を利用するため、「Santi Giovanni e Paolo Hospital」は、ボートでアクセスできる救急部の入り口があり、これは他にはない特徴的な機能を備えた島の中枢病院です。
医学部英語コースのみがヴェネツィアで開講され、「Santi Giovanni e Paolo Hospital」の施設や、図書館、研究室なども利用できます。
パドヴァ大学医学部の学費と生活費
パドヴァ大学医学部の学費はNon-EU枠の場合、世帯年収によらず、年間3102ユーロであり、イタリア政府が指定した貧困国の出身者に該当しない場合は固定料金です。また、包括的費用免除枠として外国人留学生には最大100名分が用意されています(医学部以外の英語コースの学位を含む)。
EU枠の学生の場合、年間202ユーロ〜3102ユーロとなります。EU枠の学生の場合は、この額はISEE(Indicatore della Situazione Economica Equivalente)によって変動します。ISEE(同等の経済状況指標)は世帯年収などにより変動し、この値によって、医学部の学費の減免措置を受けられます。
ヴェネツィア本島は観光地ゆえに物価が全般的に他地域よりも高いと言えます。特に、家賃や観光エリアのレストランは高価格帯が多いですが、自炊したり根気よく家探しをするか、近隣の都市に住むことである程度、生活費を抑えられます。
金額(ユーロ) | 金額(日本円) | |
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家賃(シェア・1人暮らしする場合) | €400〜€1000 | 64,000円〜160,000円 |
レストランでの費用(食事をした場合) | €15 | 2,400円 |
1Lの牛乳(スーパーでの販売価格) | €1.64 | 262円 |
12個入りの卵(スーパーでの販売価格) | €3.33 | 533円 |
1kgのバナナ(スーパーでの販売価格) | €2.17 | 347円 |
1.5Lの水(スーパーでの販売価格) | €0.41 | 66円 |
※ €1 = 160円で計算。日本円に換算した際の小数点以下は四捨五入。
※ 複数のWEBサイト・現地を訪れた際の情報を参考にして算出しています。そのため、購入場所により金額は変動します。参考程度にお考えください。
ヴェネツィアの概要
ヴェネツィアはイタリア北東部のヴェネト州(Veneto)の州都で、アドリア海に面する潟(ラグーナ)上に約100以上の小島が形成する“水の都”と呼ばれています。
中世〜近世にかけてヴェネツィア共和国(Serenissima Repubblica di Venezia)として地中海世界の交易・政治をリードし、ルネサンス期には芸術と文化が花開き、現在でも多くの建造物や美術品が残り、世界遺産にも登録されています。
都市部では車が乗り入れられず、水上バス(ヴァポレット)やゴンドラ、徒歩での移動が基本となるユニークな街です。ヴェネツィアのシンボル的広場で、サン・マルコ大聖堂や鐘楼、ドゥカーレ宮(Palazzo Ducale)が並び、観光客が絶えません。
ヴェネツィアの気候
ヴェネツィアは温帯湿潤気候で知られ、冬は比較的冷涼、夏は高温多湿です。秋から冬にかけてアクア・アルタ(Acqua Alta)と呼ばれる高潮現象が起こり、市内一部が浸水する場合がありますが、近年は防潮設備により軽減されつつあります。
春は気温が10〜20℃程度に上がりますが、変わりやすい天候と夜間の冷え込みに注意が必要であり、夏は最高気温30℃超え、湿度が高めであり観光客がピークとなり、昼間の暑さ対策が欠かせません。
9月はまだ暑い日が続きますが、10月以降涼しくなり、雨が増加します。冬は気温が0℃近くまで下がり、霧や小雪がみられることもあるため、ダウンコートなどの防寒具が必要となるでしょう。