本記事は執筆時点での情報をもとに独自に作成したコンテンツであり、大学や医学部のカリキュラム・学費・入試制度、募集人数などは年度や社会情勢等によって変更される可能性があります。最新情報は必ず大学公式サイトや公的機関でご確認ください。

基本情報

大学名(日本語名)パルマ大学
大学名(正式名称)Università degli Studi di Parma
区分国立大学
設立年(医学部)1347年(英語コースは2021年)
募集人数(2024)EU枠:75名、Non-EU枠:45名
学費€156〜€2934(※ ISEEにより変動)
ISEEの減額制度あり
奨学金の有無あり
入試形式IMAT(International Medical Admissions Test) 筆記試験のみ
試験科目論理的推論・判断推論・一般常識・生物・化学・物理・数学
試験日(2024)2024年9月17日
合格最低点(2024)EU枠:57.6点/90点(正規合格は60.3点/90点)
Non-EU枠:59.1点/90点(正規合格は59.1点/90点)
英語資格試験B2以上(※ 英語圏出身者、IMATで37てん以上、英語ですべての授業をおこなう高校で少なくとも1年通っている場合は免除される)
大学HPパルマ大学医学部英語コースの公式HP
キャンパスVia Emilia Parmense, 74Piacenza(ピアチェンツァ)

パルマ大学(Università degli Studi di Parma)は、12世紀に設立されたとされる北イタリアの歴史ある国立大学であり、主なキャンパスはパルマ市内にあり、エミリア=ロマーニャ州の学術・研究の拠点として重要な役割を果たしています。

パルマ大学は、QS世界大学の科目別ランキング2025(医学分野)では551-600位にランクインしており、EUの研究助成金プロジェクトへ参画する機会も豊富で、国際的にも高い評価を得ています。

パルマ大学の医学部英語コースは2021年に開設された比較的新設のコースです。キャンパスがパルマではなく、パルマ近郊のピアチェンツァ市で開設されているため、イタリア語の医学部のコースと実習時間が被ることはなく、臨床実習に最適な環境が整っています。

パルマ大学医学部の合格最低点と募集人数

パルマ大学医学部英語コースでは、他の国立医学部英語コースと同様にIMAT(International Medical Admissions Test)という筆記試験(マークシート方式)の受験が必要です。

IMATの満点は90点です。試験科目は、生物・化学・物理・数学といった理系科目のほか、論理的推論・判断推論・一般常識などの論理的思考力・教養を問うものまで、幅広く出題されます。

イタリア国立医学部入試では、IMAT(筆記試験)のみのスコアで合否が決まります。書類審査や面接試験、記述式の試験はありません。

年度EU枠Non-EU枠
合格最低点募集人数合格最低点募集人数
202457.675名59.145名
202335.375名50.145名
202234.160名41.940名
202144.560名35.540名

※ IMATのEU枠・Non-EU枠の合格最低点は、繰り上げ合格者の点数を含めた最終的な合格最低点です。IMATでは定員数と同数の新入生が入学するまで繰り上げ合格をおこなうため、EU枠の場合、最新年度の合格最低点が確定するまでに時間を要する場合があります。

IMATは2つの受験枠があり、どちらか一方のみを受験できます。IMATでは、EU枠・Non-EU枠に限らず、試験問題・配点・採点方法は同一ですが、受験枠により募集人数・合格最低点・出願できる大学数が異なります。

パルマ大学医学部のカリキュラム

パルマ大学医学部英語コースのカリキュラムで特筆すべきは、6年次に海外での臨床実習が含まれている点です。

通常、Erasmusなどの留学や交換留学では、医学部の6年次におこなえないことがほとんどですが、パルマ大学では5年次までに医学部の授業を終え、6年次にイタリア国外の提携大学・提携病院にて臨床実習をおこなえる画期的なカリキュラムとなっています。

試験形式は科目により異なり、筆記試験(Written Exam)や口頭試問(Oral Exam)により実施されます。

学年科目名
1年次生物学・遺伝学、生命の物理・化学的基礎、生化学、解剖学、統計学など
2年次微生物学、生理学、病理学、免疫学、病理生理学、薬理学、感染症・臨床微生物学、臨床実習など
3年次臨床検査医学、内分泌・代謝・消化器疾患、神経科学、精神医学、血液学・腫瘍学、呼吸器疾患・アレルギー学、心血管疾患、画像診断学など
4年次臨床免疫学・リウマチ学、腎臓学・泌尿器学、筋骨格系疾患、リハビリテーション学、皮膚科学・形成外科学、老年医学、頭頸部、臨床外科・救急医学、臨床実習など
5年次小児科、産科・婦人科、病理学、法医学・労働医学、公衆衛生、内科学・臨床薬理学・臨床リスク管理、臨床実習など
6年次実地研修、卒業論文、臨床実習など

※ カリキュラムは今後変更になる場合があります。

パルマ大学医学部のキャンパス所在地

パルマ大学医学部英語コースのキャンパスは、ミラノとパルマの中間地点付近であるピアチェンツァ市内にあり、2つのキャンパスで講義がおこなわれています。どちらのキャンパスも駅からはバスで10〜15分程度であり、学生の多くは自転車や電動スクーターを移動手段として利用しています。

<2年次以降>

<1年次>

どちらのキャンパス周辺にはカフェが点在し、実習先である病院とも近いため、食事や移動に困ることはないでしょう。ただし、医学部英語コースのキャンパスがパルマではなく、ピアチェンツァという別の街にある点に注意が必要です。

パルマ大学医学部の学費と生活費

パルマ大学医学部の学費は年間156ユーロ〜2934ユーロであり、この額はISEE(Indicatore della Situazione Economica Equivalente)によって変動します。

ISEE(同等の経済状況指標)は世帯年収などにより変動し、この値によって、医学部の学費の減免措置を受けられます。

イタリア北部ということもあり、生活費はやや高めであり、小さな街であるにも関わらず、ミラノ工科大学やカトリック大学などのキャンパスがあるため、学生街となっており、家探しは困難で高額になる場合があります。

金額(ユーロ)金額(日本円)
家賃(シェア・1人暮らしする場合)€300〜€57548,000円〜192,000円
レストランでの費用(食事をした場合)€203,200円
1Lの牛乳(スーパーでの販売価格)€1.39222円
12個入りの卵(スーパーでの販売価格)€3.00480円
1kgのバナナ(スーパーでの販売価格)€1.46237円
1.5Lの水(スーパーでの販売価格)€0.4064円

※ €1 = 160円で計算。日本円に換算した際の小数点以下は四捨五入。

※ 複数のWEBサイト・現地を訪れた際の情報を参考にして算出しています。そのため、金額は購入場所により変動します。参考程度にお考えください。

ピアチェンツァの概要

パルマ大学医学部英語コースのキャンパスがあるピアチェンツァ(Piacenza)は、エミリア=ロマーニャ州の最北西部に位置し、ミラノから南へ約70〜80km、パルマから西へ約60kmほど離れた場所にあります。

古代ローマ時代に「プラケンティア(Placentia)」として建設され、ポー川を渡る交通・交易の重要拠点でした。落ち着いた街並みに、ロマネスクやルネサンス様式の教会や広場が点在しており、住みやすい街といえます。

ピアチェンツァは小さな街ということもあり、治安は非常に良く、アクセスは電車でミラノ中央駅から約1時間と大都市であるミラノに近いのも特徴です。

ピアチェンツァの気候

ピアチェンツァは、イタリア北部のポー平原に位置し、温帯湿潤気候に属しており、四季の変化がはっきりしていて、夏は高温多湿、冬は冷え込みが厳しいのが特徴です。

春は気温が10~20℃程度まで上昇し、雨の日も見られ、夏は最高気温が30℃を超える日が多く、湿度が高めです。

9月はまだ残暑が残るものの、10月以降は涼しくなり雨量が増加し、冬は気温が0℃前後まで下がり、霧が見られることもあるため、防寒対策が必要となります。

Monthly Max and Min Temperatures in Piacenza
Monthly Precipitation in Piacenza

パルマ大学医学部の詳細情報