基本情報
大学名(日本語名) | パヴィア大学 |
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大学名(正式名称) | Università degli Studi di Pavia |
区分 | 国立大学 |
設立年(医学部) | 1361年(英語コースは2009年) |
募集人数(2024) | EU枠:103名、Non-EU枠:40名(マルコポーロ枠:1名) |
学費 | €156〜€4619(EUの学生:ISEEにより変動) |
€556〜€4656(Non-EUの学生:国籍により変動) | |
€4656(日本国籍でEUの市民権を持たない場合) | |
ISEEの減額制度 | あり(EUの学生の場合のみ) |
奨学金の有無 | あり |
入試形式 | IMAT(International Medical Admissions Test)筆記試験のみ |
試験科目 | 論理的推論・判断推論・一般常識・生物・化学・物理・数学 |
試験日(2024) | 2024年9月17日 |
合格最低点(2024) | EU枠:59.1点/90点(正規合格は61.8点/90点)Non-EU枠:71.2点/90点(正規合格は71.5点/90点) |
英語資格試験 | 任意 |
大学HP | パヴィア大学医学部の公式HP |
キャンパス | Viale Camillo Golgi 19, Pavia(パヴィア) |
パヴィア大学(Università degli Studi di Pavia)は1361年に創立された、歴史ある北イタリアを代表する総合大学であり、歴史のある解剖学や医学分野だけでなく、法学や文学、理学など多彩な学部を擁する総合大学です。ルネサンス期には人文科学や医学の教育研究拠点として名を高め、知識人を数多く輩出しました。
パヴィア大学は、QS世界大学の科目別ランキング2025(医学分野)では201-250位にランクインしており、大学附属病院との連携による医学・歯学の臨床教育や研究も盛んで、先端医療技術の開発や国際共同プロジェクトに参加しています。
パヴィア大学の医学部英語コースは”Harvey Course”と呼ばれ、2011年に開設された最初の医学部英語コースです。すでに”Harvey Course”の卒業生は多数おり、国内外で高い評価を得ています。コース名の”Harvey”は、イギリスの医師・解剖学者・生理学者であり、近代的な血液循環の概念を初めて体系的に示した人物として知られているWilliam Harvey にちなんで名付けられました。
パヴィア大学医学部の合格最低点と募集人数
パヴィア大学医学部英語コースでは、他の国立医学部英語コースと同様にIMAT(International Medical Admissions Test)という筆記試験(マークシート方式)の受験が必要です。
IMATの満点は90点です。試験科目は、生物・化学・物理・数学といった理系科目のほか、論理的推論・判断推論・一般常識などの論理的思考力・教養を問うものまで、幅広く出題されます。
イタリア国立医学部入試では、IMAT(筆記試験)のみのスコアで合否が決まります。書類審査や面接試験、記述式の試験はありません。
IMATは2つの受験枠があり、どちらか一方のみを受験できます。IMATでは、EU枠・Non-EU枠に限らず、試験問題・配点・採点方法は同一ですが、受験枠により募集人数・合格最低点・出願できる大学数が異なります。
年度 | EU枠 | Non-EU枠 | ||
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合格最低点 | 募集人数 | 合格最低点 | 募集人数 | |
2024 | 59.1 | 103名 | 71.2 | 40名 |
2023 | 38.4 | 103名 | 53.3 | 40名 |
2022 | 36.7 | 103名 | 43.8 | 40名 |
2021 | 35.5 | 103名 | 49.4 | 40名 |
※ Non-EU枠での募集人数には、中国人留学生向けのマルコポーロ枠を含みます。
※ IMATのEU枠・Non-EU枠の合格最低点は、繰り上げ合格者の点数を含めた最終的な合格最低点です。IMATでは定員数と同数の新入生が入学するまで繰り上げ合格をおこなうため、EU枠の場合、最新年度の合格最低点が確定するまでに時間を要する場合があります。
パヴィア大学医学部のカリキュラム
パヴィア大学では、医学の基礎科目から始まり、病院で実践的な経験を積む臨床科目が続きます。最初の2年間の試験の多くが筆記試験(特に多肢選択肢式が多い)であり、臨床科目では口頭試問(Oral Exam)が多いです。
3年次から臨床実習が始まり、4年次以降は本格的な臨床実習(3〜6か月のローテーション)が始まります。希望すれば、追加のローテーションを延長することを選択し、より多くの経験を積むこともできます。6年次は卒業論文の筆と一緒に臨床実習・実地研修のみがメインで試験はほほとんどありません。
学年 | 科目名 |
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1年次 | 基礎科学、生体分子、医学の科学的基礎、生化学、人体の構造など |
2年次 | 疫病生物学、医療倫理、身体機能、労働衛生学、微生物学など |
3年次 | 血液疾患、臨床基礎、疾患の制御と根絶、内分泌系と代謝、薬の発見と作用、全身病理学、臨床実習など |
4年次 | 心血管疾患、消化管疾患、腎臓・尿路疾患、肺疾患、神経・精神疾患、感覚器疾患、軟部組織の病気、臨床実習など |
5年次 | 小児と女性の健康(小児科学、婦人科学・産科学)、臨床薬理学・遺伝学・病理学、一般外科、実地研修、臨床実習など |
6年次 | 腫瘍学・画像診断学、公衆衛生学、実地研修、卒業論文、臨床実習など |
※ カリキュラムは今後変更になる場合があります。
また、MEET(Medicine Enhanced by Engineering Technologies)と呼ばれる「ヘルスケア、生物医学工学、放射線学、医療ロボット工学、生物統計学、バイオインフォマティクスのための情報通信技術の基礎知識」を学べる4年間のプログラム(すべてイタリア語によるプログラム)に参加すると、パヴィア大学とピサ大学の共同の修士号を医学の学位とは別に授与されます(※ 応募要件あり)。
パヴィア大学医学部のキャンパス所在地
パヴィア大学医学部英語コースのキャンパスは、「Campus della Salute」と呼ばれ、16の講堂(36〜240席、合計2100席)、12の学習室(2階で合計260席)、4つのコンピューター教室、20万冊の図書館、3つのラボを備えています。
市内中心部から3番・7番のバスで約10分、駅からは徒歩18分(バスで9分)と簡単にアクセスできます。大学附属病院群の中にあるため、臨床実習先の病院への移動も簡単な点が特徴です。
臨床実習は、北イタリアで最も有名な病院のひとつであるサン・マッテオ病院(Policlinco San Matteo)、マウジェリ病院(Fondazione San Maugeri)、モンディーノ病院(The Neurological Institute C. Mondino)で実施されます。
パヴィア大学医学部の学費と生活費
バーリ大学医学部の学費は、年間4656ユーロ(日本国籍でEUの市民権を持たない場合)となっています。Non-EUの学生の学費は、年間556ユーロ〜4656ユーロであるため、国籍により変動します。
また、EUの学生の学費は年間156ユーロ〜4619ユーロであり、この額はISEE(Indicatore della Situazione Economica Equivalente)によって変動します。ISEE(同等の経済状況指標)は世帯年収などにより変動し、この値によって、医学部の学費の減免措置を受けられます。
パヴィアは、隣接する大都市ミラノに比べると家賃や生活費がやや安めとされ、学生にとって住みやすい街として知られています。しかし、パヴィアはイタリア北部の小さな都市であるため、物件が少なく、大学近隣や旧市街の物件は需要が高いため、時期によっては早めに部屋探しを行う必要があります(時期によっては残っている物件が高額なものしかない場合もあります)。
金額(ユーロ) | 金額(日本円) | |
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家賃(シェア・1人暮らしする場合) | €310〜€680 | 49,600円〜108,800円 |
レストランでの費用(食事をした場合) | €17.5 | 2,800円 |
1Lの牛乳(スーパーでの販売価格) | €1.48 | 237円 |
12個入りの卵(スーパーでの販売価格) | €3.29 | 526円 |
1kgのバナナ(スーパーでの販売価格) | €1.95 | 312円 |
1.5Lの水(スーパーでの販売価格) | €0.58 | 93円 |
※ €1 = 160円で計算。日本円に換算した際の小数点以下は四捨五入。
※ 複数のWEBサイト・現地を訪れた際の情報を参考にして算出しています。そのため、購入場所により金額は変動します。あくまで参考程度にお考えください。
パヴィアの概要
キャンパスがあるパヴィア(Pavia)は、ミラノから南へ約35km、ティチーノ川(Fiume Ticino)のほとりに位置するロンバルディア州の中規模都市です。
古代ローマ時代には「ティキヌム(Ticinum)」と呼ばれ、中世にはランゴバルド王国の首都として栄えました。大学や宗教施設が集まることで学術都市としての地位を確立し、現在もその伝統が息づいています。石畳が美しい旧市街や中世の教会があり、規模感もコンパクトなので落ち着いた雰囲気のある街です。
パヴィアは街は比較的コンパクトで、自転車や徒歩で移動しやすく、観光だけでなく、教育や研究拠点としても発展を続けるこの街は、イタリアの古都らしい落ち着きと学問の香りが融合している点が魅力であると言えます。
パヴィアの気候
パヴィアは温帯湿潤気候に分類され、四季の変化が明確であり、ポー川流域特有の影響を受け、夏は蒸し暑く、冬は冷え込みと霧が多いのが特徴です。
春は10〜20℃前後で過ごしやすく、夏は最高気温が30℃超えすることも珍しくなく、湿度が高めであり、夕立や雷雨がたまに発生します。9月までは残暑が続き、10月以降は気温が落ち着き、朝晩の冷え込みと雨が増加し、冬には、気温が0℃近くまで下がり、霧が発生しやすい時期であり、雪が積もる場合もあります。
季節ごとの気温差がかなりあるため、夏の熱中症対策と冬の防寒対策、そして春秋の気温変化に対応した服装が求められます。