基本情報
大学名(日本語名) | ローマ・ラ・サピエンツァ大学 |
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大学名(正式名称) | Università degli Studi di Roma ‘La Sapienza’ |
区分 | 国立大学 |
設立年(医学部) | 1303年(英語コースは2008年) |
募集人数(2024) | EU枠:45名、Non-EU枠:13名 |
学費 | €156〜€3080 |
ISEEの減額制度 | あり |
奨学金の有無 | あり |
入試形式 | IMAT(International Medical Admissions Test)筆記試験のみ |
試験科目 | 論理的推論・判断推論・一般常識・生物・化学・物理・数学 |
試験日(2024) | 2024年9月17日 |
合格最低点(2024) | EU枠:65.1点/90点(正規合格は65.5点/90点) Non-EU枠:73.4点/90点(正規合格は73.8点/90点) |
英語資格試験 | 任意 |
大学HP | サピエンツァ大学医学部の公式HP |
キャンパス | Città universitaria “Sapienza” – Università di Roma |
ローマ・ラ・サピエンツァ大学(Università degli Studi di Roma ‘La Sapienza’)は1303年に設立され、11以上の学部、3つの病院、18の博物館をイタリアの首都ローマにもつ歴史ある大学です。何世紀にもわたる伝統と最先端の教育活動、研究、革新を融合させ、最高品質の教育と研究の機会を提供しています。
ローマ・ラ・サピエンツァ大学は、QS世界大学の科目別ランキング2025(医学分野)では94位にランクインしており、イタリア国内外から高い評価を得ています。イタリア語の医学部は複数ありますが、英語コースは薬学・医学部(Farmacia e Medicina)に属しています。
ローマ・ラ・サピエンツァ大学医学部英語コースの主な目的は、確固とした科学的基礎と適切な職業訓練を基盤として、教育を受けただけでなく、幸福な状態と病気の状態にある人間を「ケアする」のに適した医師を育成することであり、少人数のクラスで、実践的な医学部のカリキュラムとなっています。
サピエンツァ大学医学部の合格最低点と募集人数
年度 | EU枠 | Non-EU枠 | ||
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合格最低点 | 募集人数 | 合格最低点 | 募集人数 | |
2024 | 65.1 | 45名 | 73.4 | 13名 |
2023 | 45.4 | 45名 | 50.8 | 13名 |
2022 | 42.8 | 38名 | 52.6 | 10名 |
2021 | 40.4 | 38名 | 53.1 | 10名 |
※ IMATのEU枠・Non-EU枠の合格最低点は、繰り上げ合格者を含めた最終的な合格最低点を記載しています。
ローマ・ラ・サピエンツァ大学医学部英語コースでは、他の国立医学部英語コースと同様にIMAT(International Medical Admissions Test)という筆記試験(マークシート方式)の受験が必要です。
IMATの満点は90点であり、試験科目は、生物・化学・物理・数学といった理系科目のほか、論理的推論・判断推論・一般常識などの論理的思考力・教養を問うものまで、幅広く出題されます。
イタリア国立医学部入試では、IMAT(筆記試験)のみのスコアで合否が決まります。書類審査や面接試験、記述式の試験はありません。
IMATは2つの受験枠があり、どちらか一方のみを受験できます。IMATでは、EU枠・Non-EU枠に限らず、試験問題・配点・採点方法は同一ですが、受験枠により募集人数・合格最低点・出願できる大学数が異なります。
サピエンツァ大学医学部のカリキュラム
ローマ・ラ・サピエンツァ大学医学部英語コースのカリキュラムは、基礎科学の強固な基礎を学生に提供すると同時に、医師として成功するために必要な実践的なスキルと知識を強調するように設計されています。他のイタリア医学部と同じく6年間の医学教育であり、基礎医学を学んだ後、臨床科目を学んでいきます。
臨床実習は生理学(2年次の第1学期)から始まり、4年次から本格的になり、最先端のスキルラボは臨床検査スキルを教えるために日常的に使用されており、実践的な授業を実施しています。
試験形式は口頭試問(Oral Exam)がメインであり、科目によっては筆記試験(Written Exam)に合格しなければならない場合もあります。
学年 | 科目名 |
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1年次 | 人体解剖学、生物学・遺伝学、化学・生化学入門、医用物理学、基礎医学研究法、生化学、組織学・発生学など |
2年次 | 解剖学、生化学、生理学、臨床前科学的方法、微生物学など |
3年次 | 生理学、免疫学・免疫病理学、臨床検査学、病理学・病理生理学、臨床科学的手法など |
4年次 | 病理解剖学・臨床解剖学との関連、応用病理学(呼吸器系および心血管系の疾患)、応用病理学(腎臓および泌尿器系の疾患)、応用病理学(消化器系、内分泌系、代謝系の疾患)、画像診断、薬理学・毒物学、応用医療科学的手法など |
5年次 | 薬理学・毒物学、神経系の疾患、応用病理学(血液・造血器の疾患、免疫システム、リウマチ学)、応用病理学(感染症およびヒトの生殖)、医学・科学的手法:公衆衛生学、皮膚科学・形成外科、整形外科学・外傷学・リウマチ学、感覚器の疾患、精神医学・臨床心理学、内科と一般外科など |
6年次 | 産科と婦人科、内科および一般外科、公衆衛生・法医学、小児科、救急医療および外科、内科および一般外科、実地研修、最終試験など |
※ カリキュラムは今後変更になる場合があります。
サピエンツァ大学医学部のキャンパス所在地
ローマ・ラ・サピエンツァ大学医学部英語コースの講義は、多くの科目でメインキャンパス(Città Universitaria)で実施されます。
メインキャンパスはローマの中心部に位置し、アクセスは非常によく、鉄道駅であるローマ・テルミニ駅(Rome Termini)から徒歩約15分で、バスやトラムで簡単にアクセスでき、主要な教育病院である Policlinico Umberto I (ウンベルト1世総合病院)の地下鉄駅が近くにあります。
また、臨床実習では、主要な教育病院であるウンベルト1世総合病院(Policlinico Umberto I)と市外にあるローマ大学付属サンタンドレア病院(Azienda Ospedaliera Sant’Andrea Sapienza Università di Roma)にておこなわれます。
ローマ・ラ・サピエンツァ大学には、270万冊の本と科学雑誌からなるイタリア最大の大学図書館があり、40以上の図書館が合計6000席以上をもち、24時間開館している図書館も見られます。また、ローマには多くの公共の図書館が点在しており、近代的・歴史的なものまで多数あり、お気に入りの場所で勉強できます。
サピエンツァ大学医学部の学費と生活費
ローマ・ラ・サピエンツァ大学医学部の学費は年間156ユーロ〜3080ユーロであり、この額はISEE(Indicatore della Situazione Economica Equivalente)によって変動します。ISEE(同等の経済状況指標)は世帯年収などにより変動し、この値によって、医学部の学費の減免措置を受けられます。
ISEE を提出できない外国人学生の場合は、出身国に応じて学費が決まっており、国ごとに年間456ユーロ、856ユーロ、1656ユーロと減額されます。日本の場合は、学費が年間1656ユーロとなります。
ローマの生活費は、イタリアではミラノに次いで高いとされています。歴史地区(旧市街)やバチカン周辺など観光エリアに近い物件は、さらに高い家賃水準になることも少なくありません。観光地周辺はサービス料や立地料金が上乗せされるため、地元住民向けのトラットリアやバールを探すとコストを抑えられます。
金額(ユーロ) | 金額(日本円) | |
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家賃(シェア・1人暮らしする場合) | €250〜€700 | 40,000円〜112,000円 |
レストランでの費用(食事をした場合) | €15 | 2,400円 |
1Lの牛乳(スーパーでの販売価格) | €1.52 | 243円 |
12個入りの卵(スーパーでの販売価格) | €3.29 | 526円 |
1kgのバナナ(スーパーでの販売価格) | €1.77 | 283円 |
1.5Lの水(スーパーでの販売価格) | €0.51 | 82円 |
※ €1 = 160円で計算。日本円に換算した際の小数点以下は四捨五入。
※ 複数のWEBサイト・現地を訪れた際の情報を参考にして算出しています。そのため、金額は変動する場合があります。参考程度にお考えください。
ローマの概要
ローマは、イタリアの首都であり、歴史的には古代ローマ帝国の発祥地として「永遠の都」とも呼ばれています。イタリア中部ラツィオ州(Regione Lazio)に位置し、人口は市域で約280万人、都市圏を含むと約400万人に達するとされます。
バチカン市国を市内に内包しており、世界最小の独立国家が隣接・共存している点は非常に珍しいです
古代ローマ帝国の遺跡や、中世・ルネサンス期の教会、美術館が数多く存在し、世界屈指の観光都市として名高いです。コロッセオ、フォロ・ロマーノ、パンテオンなど、古代ローマから続く重要建造物が点在し、世界遺産にも登録されています。
観光だけでなく、映画や芸術、宗教関連の国際イベントなどを通じて、年間を通して多種多様な文化催事がおこなわれており、多彩な食文化や芸術、歴史が融合した街となっています。
ローマの気候
ローマは、イタリア中部で地中海に近い立地のため、温帯夏雨気候に属するとされます。都市部特有のヒートアイランド現象が軽度に見られ、郊外や海沿いと比べ気温が2〜3℃ほど高い場合があります。年間降水量は約900mmほどで、春と秋にやや雨が増え、夏は晴天が多いという典型的な地中海性気候パターンです。
夏場は最高気温が30℃を超える日が多く、乾燥気味で日差しが非常に強くなります。夕立や局地的な雷雨が発生することがあり、短時間で激しい雨が降るケースもある一方、冬場は5〜15℃程度であり、比較的温暖ですが、雨が増えて湿度が高くなることもあります。