基本情報
大学名(日本語名) | トリノ大学 |
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大学名(正式名称) | Università degli Studi di Torino |
区分 | 国立大学 |
設立年(医学部) | 1404年(英語コースは2017年) |
募集人数(2024) | EU枠:70名、Non-EU枠:32名(マルコポーロ枠:1名) |
学費 | €156〜€2941 |
ISEEの減額制度 | あり(イタリア国外の学生は、ISEEではなくGDPによる国ごとの減額措置あり) |
奨学金の有無 | あり |
入試形式 | IMAT(International Medical Admissions Test)筆記試験のみ |
試験科目 | 論理的推論・判断推論・一般常識・生物・化学・物理・数学 |
試験日(2024) | 2024年9月17日 |
合格最低点(2024) | EU枠:59.5点/90点(正規合格は62.4点/90点)Non-EU枠:70.8点/90点(正規合格は70.8点/90点) |
英語資格試験 | B2以上 |
大学HP | トリノ大学医学部の公式HP |
キャンパス | Regione Gonzole 10, Orbassano(トリノ) |
トリノ大学(Università degli Studi di Torino)は1404年に創立されたピエモンテ州の州都トリノ市内に複数のキャンパスを構えており、法学部や医学部、経済学部、文学部、理系学部など多彩な学部・研究科を擁する総合大学として知られています。
トリノ大学は、QS世界大学の科目別ランキング2025(医学分野)では世界251-300位、イタリア国内では10位であり、大学附属の研究・専門センターも多数存在し、国内外で高い評価を得ています。
トリノ大学医学部英語コースは2017年に開設されました。トリノ大学医学部では、意欲的な医学生を対象にした「MD-PhDプログラム」があり、3年次から4年間のプログラムに参加できます(※ 応募要件あり)。これは医学部の研究室で博士課程のスキルとトレーニング単位を取得でき、卒業生には博士号(PhD)のコースに入学するオプションが得られます。
トリノ大学医学部の合格最低点と募集人数
トリノ大学医学部英語コースでは、他の国立医学部英語コースと同様にIMAT(International Medical Admissions Test)という筆記試験(マークシート方式)の受験が必要です。
IMATの満点は90点です。試験科目は、生物・化学・物理・数学といった理系科目のほか、論理的推論・判断推論・一般常識などの論理的思考力・教養を問うものまで、幅広く出題されます。
イタリア国立医学部入試では、IMAT(筆記試験)のみのスコアで合否が決まります。書類審査や面接試験、記述式の試験はありません。
IMATは2つの受験枠があり、どちらか一方のみを受験できます。IMATでは、EU枠・Non-EU枠に限らず、試験問題・配点・採点方法は同一ですが、受験枠により募集人数・合格最低点・出願できる大学数が異なります。
年度 | EU枠 | Non-EU枠 | ||
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合格最低点 | 募集人数 | 合格最低点 | 募集人数 | |
2024 | 59.5 | 70名 | 70.8 | 32名 |
2023 | 37.4 | 70名 | 49.0 | 32名 |
2022 | 37.3 | 70名 | 50.1 | 32名 |
2021 | 35.5 | 70名 | 44.0 | 32名 |
※ Non-EU枠での募集人数には、中国人留学生向けのマルコポーロ枠を含みます。
※ IMATのEU枠・Non-EU枠の合格最低点は、繰り上げ合格者の点数を含めた最終的な合格最低点です。IMATでは定員数と同数の新入生が入学するまで繰り上げ合格をおこなうため、EU枠の場合、最新年度の合格最低点が確定するまでに時間を要する場合があります。
トリノ大学医学部のカリキュラム
トリノ大学の医学部英語コースのカリキュラムは、他のイタリア医学部と同様に6年間のプログラムであり、実践的な学習と臨床実習に焦点を当てたカリキュラムとなっています。
トリノ大学医学部のカリキュラムは、人体とその機能、そして、それに影響を与える病気について、学生に包括的な理解を提供するように構成されており、生化学、解剖学、生理学などの基礎科目から始まり、徐々に病理学、薬理学、精神医学などのより専門的な分野に進みます。
試験形式は主に口頭試問(Oral Exam)ですが、科目により試験形式は異なります。
学年 | 科目名 |
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1年次 | 生化学の準備、医療物理学、医学概論、人体形態の基礎(組織学・解剖学)、代謝の生化学的および分子的基礎 (生化学・分子生物学・バイオインフォマティクス)、細胞生物学・遺伝学 、英語・イタリア語、臨床実習など |
2年次 | 基礎病理学・免疫学、人体形態の基礎、臨床言語 、臨床方法論と記号論(内科、精神医学、外科、画像診断、臨床病理学)、病理学と病態生理学、人体の生理学的基礎、システム生理学、臨床実習など |
3年次 | 循環器系・呼吸器系、内分泌・代謝・消化器疾患、血液学・感染症学・皮膚科学、整形外科・外傷学、泌尿器科、臨床実習など |
4年次 | 頭頸部疾患、腎臓学・リウマチ学・臨床免疫学 、神経学、病理学、薬理学、精神医学 、臨床実習など |
5年次 | 内科学と医学遺伝学、臨床検査医学、医療放射線学、医療統計 、母子と生殖医療、腫瘍学、臨床実習など |
6年次 | 救急医学、一般外科、衛生学・公衆衛生学・法医学・産業医学、 |
内科学など |
※ カリキュラムは今後変更になる場合があります。
トリノ大学医学部のキャンパス所在地
トリノ大学医学部英語コースのキャンパスは北イタリアの主要都市であるトリノ郊外(オルバッサーノ)にあり、講義は、大学附属病院の「San Luigi Gonzaga University Hospital」で実施されます。
キャンパスはトリノ郊外にあるため、鉄道駅や中心地から離れたところにあり、アクセスが良いとは言えず、最寄りの鉄道駅(Lingotto)からバスで約40分、トリノの中心地(チェントロ)からはバスで約1時間となっています。
3年次から始まる本格的な臨床実習では、講義をおこなうサン・ルイージ病院のほか、ピネローロ病院、リヴォリ病院など提携病院でも実施されます。
トリノ大学医学部の学費と生活費
トリノ大学医学部の学費は年間164ユーロ〜2541ユーロであり、この額はISEE(Indicatore della Situazione Economica Equivalente)によって変動します。
ISEE(同等の経済状況指標)は世帯年収などにより変動し、この値によって、医学部の学費の減免措置を受けられます。
トリノは、ピエモンテ州の州都として古くから工業と自動車産業が発展した大都市ですが、ミラノほど生活費は高騰していません。中心部(ポルタ・ヌオーヴァ駅周辺や歴史地区)の物件はやや家賃が高めになりますが、ミラノに比べると抑えやすいと言えます。トリノは観光業が盛んではあるものの、ミラノやローマほどの観光地価格ではないため、外食やショッピングの費用負担はやや軽い印象です。
金額(ユーロ) | 金額(日本円) | |
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家賃(シェア・1人暮らしする場合) | €300〜€700 | 48,000円〜112,000円 |
レストランでの費用(食事をした場合) | €18 | 2,880円 |
1Lの牛乳(スーパーでの販売価格) | €1.48 | 273円 |
12個入りの卵(スーパーでの販売価格) | €3.36 | 538円 |
1kgのバナナ(スーパーでの販売価格) | €1.89 | 302円 |
1.5Lの水(スーパーでの販売価格) | €0.41 | 66円 |
※ €1 = 160円で計算。日本円に換算した際の小数点以下は四捨五入。
※ 複数のWEBサイト・現地を訪れた際の情報を参考にして算出しています。そのため、購入場所により金額は変動します。参考程度にお考えください。
トリノの概要
トリノ(Turin)は、ピエモンテ州の州都として、イタリア北部を代表する歴史都市であり、古代ローマ時代には「アウグスタ・タウリノルム(Augusta Taurinorum)」という名前で建設され、軍事拠点として重要視されました。
20世紀にはFIATをはじめとする自動車産業が盛んになり、「イタリアのデトロイト」と呼ばれるほど工業都市としての地位が確立されました。現在でも自動車関連企業や部品メーカーが集積し、イタリア経済を支える大都市として機能しています。
トリノ市内には、エジプト博物館(Museo Egizio)やモーレ・アントネッリアーナ(Mole Antonelliana)などの観光スポットが多数点在しており、パリの影響を受けた整然とした街路や広場が特徴的で歩きやすく美しい景観を楽しめます。
サッカーでは、名門クラブのユヴェントスFCとトリノFCが本拠地を置き、熱心なファンが地元で大いに盛り上がります。また、2006年冬季オリンピック開催地としても知られています。
トリノの気候
トリノは、温帯湿潤気候に属し、内陸性の特徴を伴うため、四季の変化がはっきりとしています。ヨーロッパ北西部からの寒気と南側の暖かい風が入り交じるため、季節の変わり目には寒暖差が大きくなる傾向があります。
アルプス山脈に近いため、風向きや高気圧の影響で局地的な気候変動が起きやすく、日ごとの天候変化に留意が必要です。一年を通して、夏の高温多湿と冬の冷涼・霧を意識した服装や装備を準備し、春秋は気温差を考慮することで快適にトリノの街を楽しむことができるでしょう。
夏は日中の最高気温が30℃を超えることがあり、湿度がやや高めで蒸し暑く感じる日も少なくありません。冬は0℃前後まで気温が下がり、朝晩は氷点下を記録することもあります。霧が多く発生し、日中でも視界が悪くなる日があるほか、積雪は年によって多少の差がありますが、大雪はそう頻繁ではありません。